「赤坂先輩!」
「んー? 何だ、里春」
 後輩である里春がこっちに息を弾ませてやってきた。……何があ
った。
「チョコをあげにきました!」
「そうか、帰れ」
「ええええ! どんな態度ですかそれ!」
「手前は自分の性別に自覚あんのか! 葛城に誤解されんだろ!」
「何で茉莉ちゃんが関係あるんですかー」
「関係あんだろ! だから無理だ!」
「そう言わずにお願いしますよー! 僕、もう友人にチョコあげす
ぎて、あげられそうな人が水泳部の先輩ぐらいなんですよ!」
「泣きついても無駄だ!」
 ひたすら騒ぎ立てる俺達。
 しばらくしていると、妙な視線を感じた。
 もしかして……。
「紫苑先輩と三浦くん……とうとうチョコをあげる関係に……」
「か……っ、葛城!?」
「茉莉ちゃん?」
「いやー。早く言ってくればいいのにー。どっちから告白したんで
すかぁ?」
「告……白!?」
 こういった対応をされるのが初めてなのか完全に里春は面食らっ
ている。ちなみに不本意ながら俺は慣れている。よく博也とともに
被害にあっているのだ。
「え? 茉莉ちゃん、どうしたの?」
「……葛城ちゃんは腐女子だよ」
 ふらっと現れたのは博也だ。疲れ果てている様子を見ると、大方
他のやつらと誤解されたに違いない。
「相変わらず葛城ちゃんパワフルだよな……。恐ろしい」
「被害にあったのか」
「ああ。その辺のやつらと見事に」
「……哀れだ」
「え? 腐女子ってなんですかっ? 茉莉ちゃんって何者!?」
 どうやら何も知らないようだ。俺はこれからどうやってこの人に
説明しようか苦悩することにしよう。
 下手したら、気絶するかもしれないからな。



部長の

(で、どっちが攻めなんですかっ?)
(攻め?)
(里春、絡むと危険だぞ)
(……どうしてこうなったんだ)





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